专利摘要:
一方では一般構造式−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−の1つ以上の繰り返し単位(A)と、他方では一般構造式−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−の1つ以上の繰り返し単位(B)とを含むコポリマーであって、式中、Dがジベンゾジアゾシン含有二価基であり、Araがスルホン単位および/またはケトン単位を含有する、ジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、Arbがジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、Gがエーテルまたはチオエーテル基であるコポリマー。好ましくは、繰り返し単位(A)は一般構造式−D−GArb−G−のものであり、繰り返し単位(B)は一般構造式−Ara−G−Arb−G−のものである。コポリマー、組成物およびこのコポリマーでできた物品の製造方法もまた、本発明の一部である。
公开号:JP2011512438A
申请号:JP2010546307
申请日:2009-02-10
公开日:2011-04-21
发明作者:チャールズ ホッピン
申请人:ソルヴェイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー;
IPC主号:C08G65-34
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に援用される、2008年2月11日出願の米国仮特許出願第61/027519号明細書の優先権を主張するものである。
本発明は、ジベンゾジアゾシンとスルホンおよび/またはケトン単位を含有する二官能性モノマーとのコポリマーに関する。本発明はまた、前記コポリマーの製造方法にならびにそれらのポリマーの用途に関する。]
背景技術

[0002] 次のジベンゾジアゾシン繰り返し単位



のどちらかまたは両方を含有するポリマーは、その全体内容が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2006/0058499A号明細書の文書に最近になって記載された。
これらの非晶質ポリマーの興味ある特性は、とりわけ、それらの高いガラス転移温度(約300〜325℃)、それらの高い熱安定性、それらの低い吸湿性(約0.1%、24時間/25℃)、それらの低い誘電率(2.6〜2.9)およびそれらの良好な難燃性である。それらは従って、様々な電気および電子用途における誘電材料として使用可能である。さらに、ジベンゾジアゾシン繰り返し単位は、[8]アンヌレン(またはシクロオクタテトラエン)のジアザ誘導体であり、それ故、[8]アンヌレン単位の酸化還元誘導立体配座変化に基づく電気機械作動デバイスにおいて前途有望であると期待されている。人工筋肉は、かかる作動デバイスの用途である。
しかしながら、これらのジベンゾジアゾシンポリマーに関して行われた研究開発作業により、それらが耐化学薬品性および溶融加工性のような多くの特性の点で幾らか不十分であることが明らかとなった。]
[0003] 一方では、ポリ(アリールエーテルスルホン)、特にポリフェニルスルホン(PPSU)、および他方では、ポリ(アリールエーテルケトン)、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、ジベンゾジアゾシンポリマーより少ない程度に、しかし上述の欠点に悩まされることなく、高いガラス転移温度、高い熱安定性および良好な難燃性をまた特徴とする他の公知のエンジニアリング熱可塑性ポリマーである。]
発明が解決しようとする課題

[0004] 本発明は、ジベンゾジアゾシンベースの繰り返し単位とスルホンおよび/またはケトン含有繰り返し単位とを含み、そして一方、同時に、ガラス転移温度、熱安定性、難燃性、耐化学薬品性および溶融加工性の中から選択される、それらのポリマー成分のそれぞれの特性の少なくとも1つ、好ましくはこれらの特性の2つ以上を改善する、新規ポリマー材料を提供することによってこれらの不利を克服することを目標としており;さらにより好ましくは、これらの新規ポリマー組成物は、これらの特性の全ての改善されたバランスを特徴とする。]
課題を解決するための手段

[0005] 本発明の第1態様は、一般構造式:−D−G−Arb−G−の繰り返し単位(A)と一般構造式:−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)とを含むコポリマー(C)であって、
式中、
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);および前記C12〜C50二価基の混合物の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):



(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)に関する。]
[0006] 好ましくは、コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)に含まれる二価基Arbは、繰り返し単位(B)に含まれる二価基Arbと同一である。同様に好ましくは、繰り返し単位(A)に含まれる二価基Gは、一方では互いに、他方では繰り返し単位(B)に含まれる二価基Gと同一である。
好ましくは、コポリマー(C)の繰り返し単位は、繰り返し単位(A)および(B)から本質的になる。]
[0007] 好ましくは、コポリマー(C)において、二価基Dは次式:



のものである。
特定の好ましい実施形態では、コポリマー(C)に含まれる二価基Araは、



である。
別の好ましい実施形態では、コポリマー(C)に含まれる二価基Araは、



である。]
[0008] 好ましくは、コポリマー(C)において、各二価基Arbは、p−ビフェニレン:



である。
好ましくは、コポリマー(C)において、各二価基Gは、エーテル基(−O−)である。]
[0009] 本発明の別の態様は、コポリマーの製造方法であって、
一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、
一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および
一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)
との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、
式中、
各Hが水素原子であり;
各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり、このXが互いに独立して選択され;
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);およびこれらの基の混合物
の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および上に定義されるような一般式(I)(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択される方法に関する。]
[0010] 好ましくは、本発明の方法は、上記のようなコポリマー(C)の製造に関するものである。
好ましくは、本発明の方法では、モノマー(M3)のモル量は、モノマー(M1)および(M2)のモル量の合計に実質的に等しい。
本発明の方法では、各Xは好ましくはフッ素原子である。
本発明の方法では、二官能性モノマー(M2)は好ましくは、一般式HO−Arb−OHのジオールである。]
[0011] 本発明のさらに別の態様は、繰り返し単位(A)および(B)を含むコポリマー(C’)であって、前記コポリマー(C’)が
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(A)が、一般構造式
−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−
の1つ以上のものであり、かつ、
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(B)が、一般構造式
−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−
の1つ以上のものである
ことを除いて、上記のようなコポリマー(C)と同一であり、
式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について先に定義された通りであるコポリマー(C’)に関する。]
[0012] 本発明のさらに別の態様は、
− 上記のようなコポリマー(C)、上記のような方法によって製造されたコポリマー、および上記のようなコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)と、
− コポリマー(C”)以外の1つ以上の原料と
を含有するポリマー組成物に関する。]
[0013] 本発明の最後の態様は、上記のようなポリマー組成物、または上記のようなコポリマー(C)、上記のような方法によって製造されたコポリマーおよび上記のようなコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)の中から選択される少なくとも1つのポリマー組成物を含有する造形品または物品の造形部品に関する。]
[0014] その主要な態様では、本発明は、一般構造式−D−G−Arb−G−の繰り返し単位(A)と一般構造式−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)とを含むコポリマー(C)であって、式中、
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I)



(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)に関する。]
[0015] 繰り返し単位(A)
本発明に従ったコポリマー(C)は、一般構造式−D−G−Arb−G−の繰り返し単位(A)を含む。
コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、多くとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。]
[0016] コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)のモル数は、繰り返し単位(A)および(B)の合わせたモル数を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)のモル数は、繰り返し単位(A)および(B)の合わせたモル数を基準として、多くとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。良好な結果は、とりわけ、繰り返し単位(A)のモル数が、繰り返し単位(A)および(B)の合わせたモル数を基準として、約20モル%か50モル%かのどちらかのものであるときに得られた。]
[0017] 後で詳述されるように、一般構造式−D−G−Arb−G−の繰り返し単位は、とりわけ、一方では、一般式X−D−X(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのジハロジベンゾジアゾシン化合物と、他方では一般式HO−Arb−OHの少なくとも1つのジオールとの間の求核置換反応によって得ることができる。相当するジチオールHS−Arb−SHをまた、ジオールHO−Arb−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。]
[0018] 繰り返し単位(B)
本発明に従ったコポリマー(C)は、一般構造式−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)を含む。
コポリマー(C)において、繰り返し単位(B)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(B)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、多くとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。]
[0019] 後で詳述されるように、一般構造式−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)は、とりわけ、一方では、一般式X−Ara−X(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのジハロ化合物と、他方では一般式HO−Arb−OHの少なくとも1つのジオールとの間の求核置換反応によって得ることができ;相当するジチオールHS−Arb−SHをまた、ジオールHO−Arb−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。]
[0020] 繰り返し単位(A)および(B)以外の任意選択の繰り返し単位(Z)
本発明に従ったコポリマー(C)は、繰り返し単位(A)および(B)以外の繰り返し単位(Z)をさらに含んでもよい。]
[0021] 本発明に従ったコポリマー(C)は、とりわけ、一般構造式−C(=O)−O−Arb−O−、上に定義されたようなArbの1つ以上の繰り返し単位をさらに含んでもよく;かかる繰り返し単位は、とりわけ、ホスゲンと一般式HO−Arb−OHの少なくとも1つのジオールとの間の求核置換反応によって得ることができる。かかる繰り返し単位の2つ以上が一緒に直接結合しているとき、それらは、−C(=O)−O−Arb−O−C(=O)−O−Arb−O−におけるような、カーボネート官能基を含むコポリマー(C)を提供する。]
[0022] さらに他の繰り返し単位(Z)には、エーテルイミド単位(少なくとも1つのエーテル基と少なくとも1つのイミド基とを含む単位);アミドイミド単位(少なくとも1つのアミド基と少なくとも1つのイミド基とを含む単位);任意選択的に置換されたフェニレン単位(置換または非置換フェニレンからなる単位);イミド単位(少なくとも1つのイミド基を含む単位);アミド単位(少なくとも1つのアミド基を含む単位);エステル単位(少なくとも1つのエステル基を含む単位);カーボネート単位(少なくとも1つのカーボネート基を含む単位);ウレア単位などが含まれるが、それらに限定されない。]
[0023] コポリマー(C)において、繰り返し単位(Z)の質量は、繰り返し単位(A)および(B)の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、20%、30%、40%、50%またはさらにそれ以上のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(Z)の質量は、繰り返し単位(A)および(B)の総質量を基準として、多くとも50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%または1%のものであってもよい。コポリマー(C)はまた、繰り返し単位(A)および(B)以外の繰り返し単位(Z)を本質的に含まなくても、または全く含まなくてもよく;正確には、良好な結果は、かかるコポリマー(C)、すなわち言い換えれば、その繰り返し単位が繰り返し単位(A)および(B)から本質的になるか、または全てそれらからなるコポリマーで得られた。]
[0024] 二価基D
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(A)において、Dは、少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基を表す。
ジベンゾジアゾシン含有二価基は一般に、



少なくとも1つの置換基で置換された上記2つの単位の同族体、およびそれらの混合物から選択される1つ以上の単位を含む任意の二価基を意味する。]
[0025] 本説明の目的のためには、用語「少なくとも1つ」は月並みに、繰り返し単位(A)が全て、同じジベンゾジアゾシン含有二価基を基Dとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(A)が、異なる式を有するジベンゾジアゾシン含有二価基を基Gとして含んでもよいことを意味する。
本説明の目的のためには、用語「置換基」は、水素原子の代わりに置換された原子または原子の基を意味することを意図される。それらは一般に一価である。]
[0026] 好ましくは、置換基は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、−CN、−CHO、−CORa、−CRa=NRb、−ORa、−SRa、−SO2Ra、−PORaRb、−PO3Ra、−OCORa、−CO2Ra、−NRaRb、−N=CRaRb、−NRaCORb、−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群から選択される)からなる群から選択され、R1〜R8、Ra、およびRbの2つ以上は、環構造を形成するために連結されても連結されなくてもよい。]
[0027] 本発明に従って、基Dは、とりわけ、次式:






(式中、
破線結合は主ポリマー鎖を表し;
R1〜R8は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、−CN、−CHO、−CORa、−CRa=NRb、−ORa、−SRa、−SO2Ra、−PORaRb、−PO3Ra、−OCORa、−CO2Ra、−NRaRb、−N=CRaRb、−NRaCORb、−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群から選択される)からなる群から選択され、R1〜R8、Ra、およびRbの2つ以上は、環構造を形成するために連結されても連結されなくてもよく;
ArおよびAr’は、1,2−フェニレン、1,4−フェニレン、置換1,2−フェニレン、置換1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、置換4,4’−ビフェニレン、4,4”−ターフェニレン、置換4,4”−ターフェニレン、1,4−ナフチレン、置換1,4−ナフチレン、2,6−ナフチレン、置換2,6−ナフチレン、2,7−フルオレニレン、置換2,7−フルオレニレン、2,6−アントラセニレン、置換2,6−アントラセニレン;9,10−アントラセニレン、および置換9,10−アントラセニレンを含むが、それらに限定されない二価芳香族単位である)
で示される構造を有する基の少なくとも1つの中から選択されてもよい。]
[0028] 全てのこれらの可能な基Dの中で、ベンゾ環と結合した置換基R1〜R8がHであるものが、本質的にアクセスの容易さから、非常に好ましい。ベンゾ環と結合した置換基R1〜R8が重合可能な官能基である、基Dもまた、本発明の範囲内に包含される。さらに、窒素原子がジアゾシン環中の1,5位にある基Dがまた、本質的に同じ理由から、非常に好ましい。]
[0029] また、Ar単位またはArおよびAr’単位を含むこれらの好ましい基Dの中で、ArおよびAr’単位が1,4−フェニレンであるものがまた非常に好ましい。
次式:



の基Dが特に好ましい。]
[0030] 二価基Arb
コポリマー(C)の繰り返し単位(A)において、Arbは、C6〜C50アリーレン基および上述のような式(I)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される。
二価基Arbとして好適なC6〜C50アリーレン基の非限定的な例には、]
[0031] が挙げられる。]
[0032] 二価基Arbとして好適な全C6〜C50アリーレン基の中で、p−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,7−フェナントリレンおよび2,7−ピレニレンが好ましく;p−フェニレンが最も好ましい。]
[0033] 式(I)のC12〜C50芳香族炭化水素基が一般に、本発明に従ったコポリマーの繰り返し単位(A)中の二価基Arbとして好ましい。]
[0034] 式(I)において、非指定の位置異性体は、3,4’−ビフェニレン(式中、Qは直接共有結合である)における、および、式中、直接共有結合がスルホン単位[−S(=O)2−]、ケトン単位[−C(=O)−]またはイソプロピリデン単位で置き換えられているその同族体におけるなど、Qに対してメタであってもよい。
それにもかかわらず、非指定の位置異性体は好ましくはQに対してパラである。]
[0035] 二価基Arbとして好適である、非指定の位置異性体がQに対してパラである式(I)の特定のC12〜C50芳香族炭化水素基は、一般式:



のものであり、
式中、Wは、次の構造:



の中から選択される。]
[0036] 二価基Arbとして好適である、非指定の位置異性体がQに対してパラである式(I)のC12〜C50芳香族炭化水素基の他の例には、



(Rはイソプロピリデン以外のC1〜C6アルキレン、C1〜C6部分フッ素化アルキレン、または



が挙げられ、
ここで、最後の上記式において、φは、少なくとも1つのC6〜C38アリーレン単位を含む二価基であり、前記C6〜C38アリーレン単位は好ましくは、上にリストされた構造(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)および(xi)、ならびに式(i)〜(xii)のいずれかの混合物の中から選択される。]
[0037] 二価基Arbとして、一般式(I)の次の基:



およびそれらの混合物が好ましくは使用される。]
[0038] 二価基Arbとして、一般式(I)の最も好ましい基は、p−ビフェニレン



である。]
[0039] Arbについて言及すると、用語「少なくとも1つ」は、月並みに、繰り返し単位(A)が全て、同じ二価基を基Arbとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(A)が、異なる式を有する二価基を基Arbとして含んでもよいことを意味する。]
[0040] 本発明に従ったコポリマー(C)は、簡潔さのために、本説明において「繰り返し単位(B)」とも定義される、(−Ara−G−Arb−G−)繰り返し単位をさらに含む。]
[0041] コポリマー(C)の繰り返し単位(B)はまた、上記の繰り返し単位(A)として、少なくとも1つのArb基を含む。従って、繰り返し単位(A)の説明においてこれらの基について述べられた定義および制限は、繰り返し単位(B)の説明に等しく適用される。
特に、Arbについて言及すると、用語「少なくとも1つ」は、月並みに、繰り返し単位(B)が全て、同じ二価基を基Arbとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(B)が、異なる式を有する二価基を基Arbとして含んでもよいことを意味する。]
[0042] 二価基Ara
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(B)は、二価基(GS)および二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基Araをさらに含む。本説明の目的のためには、用語「少なくとも1つ」は、月並みに、繰り返し単位(B)が全て、同じ二価基を基Araとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(A)が、異なる式を有する二価基を基Araとして含んでもよいことを意味する。例えば、Araは、二価基(GS)の中から選択される単一の二価基であってもよいし、またはAraは、二価基(GK)の中から選択される単一の二価基であってもよいし、またはAraは、二価基(GS)の中から選択される少なくとも2つの二価基の混合物であってもよいし、またはAraは、二価基(GK)の中から選択される少なくとも2つの二価基の混合物であってもよいし、またはAraは、二価基(GS)の中から選択される少なくとも1つの二価基と二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つの二価基との混合物であってもよい。]
[0043] 第1実施形態(E1)では、二価基Araは、少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基である。
二価基(GS)には通常、式



の4,4’−ジフェニルスルホン単位が含まれる。]
[0044] (E1)のある特定のサブ実施形態では、二価基(GS)はスルホンイミド基である。本発明の目的のためには、スルホンイミド基は、少なくとも1個のスルホン単位と少なくとも1つのイミド単位とを含有する基を、そのようなものとしておよび/またはそのアミド酸形態で、意味することを意図される。好ましいスルホンイミド基は次式の1つ以上のものである:



ここで、
− (si2)および(si3)は、イミド形態(si1)に相当するアミド酸形態であり、
− →は、矢印が指し示す基が、示されるように、または入れ替わった位置に存在してもよいように異性を意味する。]
[0045] 本発明の実施形態(E1)に従ったAraとしての使用に好適な二価基(GS)は好ましくは、上記スルホンイミド基(si1)、(si2)および(si3)、



ならびにそれらの混合物から選択され、
ここで、最後の上記式において、φは、少なくとも1つのC6〜C38アリーレン単位を含む二価基であり、前記C6〜C38アリーレン単位は好ましくは、



(式中、Rはイソプロピリデン以外のC1〜C6アルキレン、C1〜C6部分フッ素化アルキレン、またはパーフルオロイソプロピリデンなどのC1〜C6過フッ素化アルキレンである)、



およびそれらの混合物の中から選択される。]
[0046] 非常に好ましくは、本発明の実施形態(E1)に従ったAraとしての使用に好適な二価基(GS)は、



およびそれらの混合物から選択される。
全ての二価基(GS)の中で、二価基



が、本発明の実施形態(E1)に従った二価基Araとしての使用に最も好ましい。]
[0047] 別の実施形態(E2)では、二価基Araは、少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基である。]
[0048] 二価基(GK)には一般に、式



の4,4’−ベンゾフェノン単位が含まれる。
本発明の実施形態(E2)に従ったArbとしての使用に好適な二価基(GK)は好ましくは、



−Phi−C(=O)−Π−C(=O)−Phi−、およびそれらの混合物からなる群から選択され、
ここで、最後の上記式において、Phiはパラ−フェニレンであり、Πは、



(式中、Rはイソプロピリデン以外のC1〜C6アルキレン、C1〜C6部分フッ素化アルキレン、またはパーフルオロイソプロピリデンなどのC1〜C6過フッ素化アルキレンである)、



およびそれらの混合物の中から選択される、少なくとも1つのC6〜C36アリーレン単位を含む二価基である。]
[0049] 本発明の実施形態(E2)に従ったArbとしての使用に好適な二価基(GK)は好ましくは、



−Phi−C(=O)−Π1−C(=O)−Phi−(式中、Π1は、



である)、−Phi−C(=O)−Π2−C(=O)−Phi−(式中、Π2は、



である)、Phi−C(=O)−Π3−C(=O)−Phi−(式中、Π3は、



である)、およびそれらの混合物から選択される。]
[0050] 全ての二価基(GK)の中で、二価基



が、本発明の実施形態(E2)に従った二価基Arbとしての使用に最も好ましい。]
[0051] 最も好ましいコポリマー(C)は、その繰り返し単位が、
− Dが式(D1)



の二価基であり、Arbが、



であり、かつ、繰り返し単位(A)に含まれるGがエーテル基(−O−)である繰り返し単位(A)と、
− Araが、



およびそれらの混合物から選択され、かつ、繰り返し単位(B)に含まれるGがエーテル基(−O−)である繰り返し単位(B)と
から本質的になるものであって、それらのモル比(A):(B)によって表される、本発明に従ったコポリマー(C)中の繰り返し単位(A)および(B)のそれぞれの量が一般に、1:99〜99:1、特に10:90〜90:10、好ましくは10:90〜30:70および40:60〜60:40のどちらかに変わるものである。]
[0052] 二価基G
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(A)および繰り返し単位(B)は、少なくとも1つの二価基Gをさらに含む。
各基Gは月並みに、エーテル基もしくはチオエーテル基またはそれらの混合物であってもよい。]
[0053] 例えば、コポリマー(C)の繰り返し単位(A)が一般構造式−D−G−Arb−G−のものであるとき、前記繰り返し単位(A)は、とりわけ:
−D−O−Arb−O−、または
−D−O−Arb−S−、または
−D−S−Arb−O−、または
−D−S−Arb−S−、または
−D−O−Arb−O−と−D−O−Arb−Sとの混合物、または
−D−O−Arb−O−と−D−S−Arb−O−との混合物、または
−D−O−Arb−O−、−D−O−Arb−S−および−D−S−Arb−O−の混合物
であってもよい。
好ましくは、各Gはエーテル基(−O−)である。]
[0054] 本発明に従って提供されるコポリマー(C)は一般に、200℃より高い、好ましくは215℃より高い、245℃を超えることすらできるガラス転移温度(Tg)(通常、示差走査熱量測定法、DSCによって測定される)を特徴とする。コポリマー(C)の重量平均分子量(Mw)(通常、ゲル浸透クロマトグラフィー、GPC(ポリスチレン標準に対する)によって測定される)は一般に、5×103超、好ましくは10×103超、より好ましくは20×103超である。この重量平均分子量(Mw)は一般に、10000×103未満、好ましくは100×103未満、より好ましくは60×103未満である。コポリマー(C)の数平均分子量(Mn)(通常、1H−NMRスペクトルからの積分を用いる末端基分析を使った選択的溶出クロマトグラフィー、SECによって測定される)は一般に、5×103超、好ましくは10×103超、より好ましくは20×103超である。この数平均分子量(Mn)は一般に、5000×103未満、好ましくは70×103未満、より好ましくは50×103未満である。]
[0055] それらの全体構造に関しては、本発明に従ったコポリマー(C)は、線状、分岐、超分岐、樹木状、ランダム、ブロックまたはそれらの任意の組み合わせであってもよい。本発明に従ったコポリマー(C)の構造における繰り返し単位(A)および(B)単位の順番は、決定的に重要であるわけではない。コポリマー(C)は、例えば−AAAAAABBBBBBB−と同一であるかまたは実質的に等しい構造で、ブロック状であってもよく;コポリマー(C)は交互の構造、例えば、−ABABABABABABAB−であってもよく;コポリマー(C)の繰り返し単位(A)および(B)は、ランダムに、例えば−AABABBBABBAAA−のような構造に分布していてもよい。]
[0056] 本発明の製造方法
その態様の別のものでは、本発明はまた、上記のようなコポリマー(C)の製造に特に好適である、コポリマーの製造方法に関する。
従って、本発明は、コポリマー、特に上記のようなコポリマー(C)の製造方法であって、
一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、
一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および
一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)
との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、
式中、
各Hが水素原子であり;
各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり;Xが好ましくはハロゲン原子から選択され、Xが非常に好ましくはフッ素原子であり;このXが互いに独立して選択され;
D、Ara、ArbおよびGが、コポリマー(C)について言及するときに先に定義された通りであり、有利には、D、Ara、GおよびArbが、コポリマー(C)の説明で述べられたものと、同じ制限および選好に従う方法にさらに関する。]
[0057] 二官能性モノマー(M1)は一般に、次のモノマー:



の1つ以上の中から選択され、
式中、
Ar、Ar’、およびR1〜R8は、コポリマー(C)の説明における基Dの定義でのそれらのカウンターパートと同じ意味および制限を有する。]
[0058] 全てのこれらの二官能性モノマー(M1)の中で、ベンゾ環に結合した置換基R1〜R8がHであり、かつ、芳香族単位ArおよびAr’が1,4−フェニレンであるものが、本質的にアクセスのしやすさのために好ましい。]
[0059] 式(M11)および(M12)のモノマーが特に好ましく、各Xがフッ素である式(M11)のモノマーが最も特に好ましい。]
[0060] 二官能性モノマー(M2)は一般に、下記のモノマー:
Araが少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であるモノマー(M21);
Araが少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有する二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であるモノマー(M22);
これらのモノマー(M21)および(M22)の混合物
の1つ以上の中から選択される。]
[0061] 二官能性モノマー(M21)の中に、スルホン基を含有する官能化アリールジハライドが挙げられてもよい。スルホン基を含有する官能化アリールジハライドの例は、ジフェニルスルホンのハロゲン化誘導体である。ジフェニルスルホンのハロゲン化誘導体の例は、ジ−(4−フルオロフェニル)スルホンおよびジ−(4−クロロフェニル)スルホンである。ジ−(4−フルオロフェニル)スルホンがモノマー(M21)として好ましいかもしれない。]
[0062] 二官能性モノマー(M22)の中に、ケトン基を含有する官能化アリールジハライドが挙げられてもよい。ケトン基を含有する官能化アリールジハライドの例は、ベンゾフェノンのハロゲン化誘導体である。ベンゾフェノンのハロゲン化誘導体の例は、4,4’−ジフルオロ−、4,4’−ジブロモ−および4,4’−ジクロロベンゾフェノンである。4,4’−ジフルオロベンゾフェノンがモノマー(M22)として好ましいかもしれない。]
[0063] 二官能性モノマー(M3)は一般に、次のビスフェノールおよび/または相当するジチオールまたはフェノール−チオール:4,4’−ビフェノール;ヒドロキノン;4,4’−ジヒドロキシビフェニル;レゾルシノール;ジヒドロキシナフタレン(2,6および他の異性体);4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルまたは−チオエーテル;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;2,2’−ジ−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)または−メタン;4,4’−オキシビス(フェノール);およびヘキサフルオロイソプロピリデンジフェノールの1つ以上の中から選択される。4,4’−ビフェノールがモノマー(M3)として好ましいかもしれない。]
[0064] 必要な求核置換反応を含む工程−成長重合を達成するために3つの二官能性モノマーを接触させなければならない一般条件は、決定的に重要であるわけではなく、それらの原則は、縮合重合法の技術分野でよく知られている。少なくとも3つのモノマーは、任意の順に一緒に接触させられてもよい。それらは一般に、例えば、炭酸カリウムまたはナトリウムのような、アルカリ金属塩の通常の存在下に、最も多くの場合にテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン、ジフェニルスルホン、トルエンなどの中から選択される溶媒を含有する、有機液体媒体中で一緒に混合される。重合温度は一般に、80℃超、好ましくは120℃超、より好ましくは140℃超である。重合は一般に、1時間を超える継続時間実施され、重合の継続時間は10時間を超えてもよい。]
[0065] モノマー(M1)〜(M3)のそれぞれの量は、コポリマー、特に、上に定義されたようなそれぞれの量の繰り返し単位(A)および(B)を含む、コポリマー(C)を得るために、例えば幾つかの予備試験によって、それらのそれぞれの反応性を考慮して、選択される。相当する二官能性モノマー(M1)および(M2)の供給比でD基の組成比を化学量論的に制御することが好ましい。]
[0066] コポリマーは有利には、エンドキャッピング剤を重合混合物に加えることによってエンドキャップされてもよい。好適なエンドキャッピング剤の非限定的な例は、t−ブチルフェノールおよび4−ヒドロキシビフェニルである。]
[0067] 本発明のポリマー組成物
本発明のさらに別の態様は、上記のようなコポリマー(C)の中から選択された少なくとも1つのコポリマーと上記の方法によって製造されたコポリマーと、前記少なくとも1つのコポリマー以外の1つ以上の原料とを含有するポリマー組成物に関する。]
[0068] 前記他の原料は、とりわけ、ポリ(アリールエーテルスルホン)および/またはポリ(アリールエーテルケトン)組成物の通常の原料の中から選択することができ、他の原料には、光安定剤(例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、サリチレート、シンナメート誘導体、レゾルシノールモノベンゾエート、オキサニリド、p−ヒドロキシベンゾエートなど);可塑剤(例えば、フタレートなど);染料、着色剤、有機および/または無機顔料(例えば、TiO2、カーボンブラックなど);難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、ホウ素化合物、臭素化合物、塩素化合物など);帯電防止添加剤;バイオ安定剤;発泡剤;接着促進剤;相溶化剤;硬化剤;滑剤;離型剤;煙抑制剤;熱安定剤;酸化防止剤;UV吸収剤;ゴムなどの強靱化剤;帯電防止剤;酸捕捉剤(例えば、MgOなど);溶融粘度抑制剤(例えば、液晶ポリマーなど);加工助剤;帯電防止剤;エキステンダー;強化剤、充填剤、ガラス繊維および炭素繊維などの繊維充填剤、ウォラストナイトなどの針状充填剤、プラッティ充填剤、微粒子充填剤およびタルク、雲母、二酸化チタン、カオリンなどの核形成剤、ならびにそれらの混合物が含まれる。]
[0069] さらに、コポリマー(C)以外のエンジニアリングポリマー、とりわけ:ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)およびビスフェノールAポリスルホンのようなポリ(アリールエーテルスルホン);ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エーテルケトン)およびポリ(エーテルケトンケトン)のようなポリ(アリールエーテルケトン);ポリエーテルイミド(例えば、ULTEM(登録商標)型およびAURUM(登録商標)型ポリマー);ポリアミドイミド(例えば、TORLON(登録商標)型ポリマー)、ポリフェニレン(例えば、PRIMOSPIRETM)、ポリイミド、ポリフタルアミドなどのポリアミド、ポリエステル、ビスフェノールAポリカーボネートなどのポリカーボネート、ポリウレア、液晶ポリマー、ポリオレフィン、スチレン化合物、ポリ塩化ビニル、フェノール化合物、ポリエチレンテレフタレート、アクリル化合物などを本発明の組成物中にブレンドして含むことは、本発明の範囲内で、想定される。]
[0070] 前記任意選択の原料の質量は、本発明のポリマー組成物の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%またはさらにそれ以上のものであってもよい。他方では、それは、多くとも50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%または1%のものであってもよい。良好な結果は、本発明のポリマー組成物がコポリマー(C)から本質的になった、または全てコポリマー(C)からなったときに得られた。良好な結果はまた、上記のようなコポリマー(C)および上記のような方法によって製造されたコポリマー(C)の中から選択される少なくとも1つのコポリマーと、1つ以上の繊維充填剤とを含む繊維充填ポリマー組成物であって、繊維充填剤の質量が、ポリマー組成物の総質量を基準として、通常5質量%〜30質量%の範囲である組成物で得ることができる。]
[0071] 本発明のポリマー組成物は有利には、任意の従来の混合方法によって調製される。特定の方法は、例えば、機械ブレンダーを使用して、粉末または顆粒形態で、対象である本発明のポリマー組成物の原料を乾式混合し、次に混合物をストランドに押し出し、ストランドをペレットへ切り刻む工程を含む。]
[0072] 本発明の造形品および物品の造形部品
本発明のさらに別の態様は、上記のようなポリマー組成物か、上記のようなコポリマー(C)および上記のような方法によって製造されたコポリマー(C)の中から選択される少なくとも1つのコポリマーのどちらかを含有する造形品または物品の造形部品に関する。]
[0073] 本当に、それらの高いガラス転移温度、熱安定性、難燃性、耐化学薬品性および溶融加工性と組み合わせて、本発明のコポリマー(C)によって特徴とされる有利な特性の傑出したバランスはそれらを、ラジオ、テレビセットおよびコンピューターならびに電気配線コーティングなどのデバイスの、任意の公知加工方法による製造に特に好適なものにする。さらに、本発明のコポリマーは、プリント配線板、半導体、およびフレキシブル電気回路を含むがそれらに限定されない様々な電子およびオプトエレクトロニクス用途で誘電体として使用することができる。さらに、コポリマー(C)は、リードフレーム接着剤を含むがそれらに限定されない様々な電子接着用途におよびまた航空機インテリア用途に使用することができる。本発明に従ったコポリマー(C)の他の用途は、電気機械作動デバイス、医療デバイス、感知デバイス;200℃以下の、さらに250℃以下およびそれ以上の使用温度を必要とする用途;自立フィルム;繊維;発泡体;医療器具、不織繊維材料;分離膜(ガス分離膜などの)、半透膜;イオン交換膜;燃料電池デバイス;フォトルミネセントまたはエレクトロルミネセントデバイスなどを含む。]
[0074] コポリマー(C)の周りの構造変動−本発明に従った他のコポリマー
本発明のさらに別の態様は、
繰り返し単位(A)および(B)を含むコポリマー(C’)であって、前記コポリマー(C’)が
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(A)が、一般構造式
−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−
の1つ以上のものであり、かつ、
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(B)が、一般構造式
−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−
の1つ以上のものである
ことを除いて、上に定義されたようなコポリマー(C)と同一であり、
式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について上に定義された通りであるコポリマー(C’)に関する。]
[0075] 一般構造式−G−D−G−Arb−の繰り返し単位は、とりわけ、一方では、一般式HO−D−OHの少なくとも1つのジヒドロキシジベンゾジアゾシンと、他方では、一般式X−Arb−X(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのジハロ化合物との求核置換反応によって得ることができる。相当するジチオール−ジベンゾジアゾシンHS−D−SHをまた、ジヒドロキシジベンゾジアゾシンHO−D−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。]
[0076] 一般構造式−D−G−の繰り返し単位は、とりわけ、一般式X−D−OH(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのモノハロゲノ−モノヒドロキシ−ジベンゾジアゾシン含有化合物を含む求核置換反応によって得ることができ;相当するチオールX−D−SHをまた、アルコールX−D−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。X−D−OHは、とりわけ、それ自体と、および/またはHO−Arb−OHなどのジオールと、および/またはHO−Arb−SHなどのチオールと、および/またはX−Ara−Xなどのジハロ化合物と、および/またはX−Ara−OHもしくはX−Ara−SHなどのモノハロゲノ−モノヒドロキシ−化合物と反応することができる。]
[0077] 一般構造式−G−Ara−G−Arb−の繰り返し単位は、とりわけ、一方では、一般式HO−Ara−OHの少なくとも1つのジオールと、他方では、一般式X−Arb−X(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのジハロ化合物との間の求核置換反応によって得ることができ;相当するジチオールHS−Ara−SHをまた、ジオールHO−Ara−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。]
[0078] 一般構造式−Ara−G−の繰り返し単位は、とりわけ、一般式X−Ara−OH(式中、Xはハロゲン原子(特に、フッ素)である)の少なくとも1つのモノハロゲノ−モノヒドロキシ含有化合物を含む求核置換反応によって得ることができ、相当するチオールX−Ara−SHをまた、アルコールX−Ara−OHと部分的にまたは完全に置き換えて使用することができる。X−Ara−OHは、とりわけ、それ自体と、および/またはHO−Arb−OHなどのジオールと、および/またはHO−Arb−SHなどのチオールと、および/またはX−Ara−Xなどのジハロ化合物と、および/またはX−Ara−OHもしくはX−Ara−SHなどのモノハロゲノ−モノヒドロキシ−化合物と反応することができる。]
[0079] 繰り返し単位−Ara−G−の例として、



[(4−フルオロベンゾイル)フェノールを含む求核反応によって得ることができる、エーテルケトン型単位]、および



[エーテルケトンケトン型単位]を挙げることができる。]
[0080] それらが非相溶性であるときを除いて、コポリマー(C)、それらの繰り返し単位(A)および(B)、それらに含まれる二価基D、G、AraおよびArb、コポリマー(C)の任意選択の繰り返し単位(Z)、コポリマー(C)でできた組成物、ならびにコポリマー(C)でできた造形品および物品の造形部品の特質および量に関して上に詳述された可能な制限および選好は全て、本発明のコポリマー(C’)、それらの繰り返し単位(A)および(B)、それらに含まれる二価基D、G、AraおよびArb、コポリマー(C’)の任意選択の繰り返し単位(Z)、コポリマー(C’)でできた組成物、ならびにコポリマー(C’)でできた造形品および物品の造形部品に変更すべきところは変更して適用することができる。]
[0081] 本発明を例示するが、それらを限定しない実施例が以下に提供される。]
[0082] 実施例1、2、3、4、5Rおよび6R
実施例5Rおよび6Rは、比較目的のために与えられる。]
[0083] A.(6,12−ビス(4−フルオロフェニル)ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン)モノマー(M1)の製造
オーバーヘッド攪拌機、Barrettトラップ、冷却器、および窒素入口を備えた1Lの3口丸底フラスコに、250gの2−アミノ−4’−フルオロ−ベンゾフェノン(Unibest(China)から購入した)、12.2gのp−トルエンスルホン酸−水和物(TsOH−H2O)、および300mlのキシレンを入れた。混合物をわずかな窒素圧力下に撹拌し、Barrettトラップに副生物水を集めながら還流に温めた。7時間後に、約24mlの水を集めた。暗色反応混合物を約100℃に冷却し、大過剰のメタノールにゆっくり注ぎ込んで黄色の固体を得た。固体を濾過によって集め、メタノールで2回洗浄した。固体を次に、メタノール中に16時間浸漬し、濾過し、温メタノールで洗浄した。固体を塩化メチレン/メタノール(1:1容積)から再結晶して、ジフルオロジベンゾジアゾシン(融点(DSC)=196℃、純度:99.5%(GPC、面積%)。IR分光測定法(ATR):960,935cm-1(ジアゾシン環を示す))と称される、182gの鮮やかな黄色の固体を得た。]
[0084] B.コポリマー(C)の製造の一般条件
コポリマー(C)を縮合重合法によって製造した:ジフルオロジベンゾジアゾシンを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)とトルエンとの溶媒混合物中で、1〜2質量%過剰のビスフェノールおよび約2〜5質量%過剰の細砕し乾燥した炭酸カリウム(K2CO3)と一緒にジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)か、ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)かのどちらかと混合した。DMAC中の目標コポリマー濃度はおおよそ15質量%であった。ガス状塩化メチルを重合の終わりに反応混合物に加え、ポリマー鎖の一端または両端でカリウム−フェネート塩と反応させて末端−OCH3基を形成した。他の鎖端は、多分−F、または−Clからなる。末端停止反応混合物を濾過して不溶なカリウム塩を濾過して透明で粘稠な溶液を得た。コポリマーを、濾過した溶液を大過剰のメタノールまたは水に注ぐことによって単離して繊維状固体を形成し、それをメタノールで洗浄し、次に、残存DMAcの除去を確実にするためにオーブン中で十分に乾燥させた。小さい透明なフィルム(1〜3ミル厚さ)を、THFまたはDMAc中のポリマーの10〜20%溶液からキャストし、乾燥させた。]
[0085] 乾燥粉末またはフィルムの一部を、DSCによって試験してガラス転移温度(Tg)を測定した。GPCを用いて平均分子量を推定し、TGA(窒素下の)を用いて熱分解の開始温度(T開始)および800℃で残る残渣の量(%炭)を測定した。]
[0086] 以下は、コポリマーの製造の実施例である。]
[0087] 実施例1(ジベンゾジアゾシン−スルホンビスフェノールAコポリマーの製造)
オーバーヘッド攪拌機、Barrettトラップ、窒素入口、および冷却器を備えた4口、500mlのフラスコに、窒素雰囲気下に14.17g(0.06207モル)のビスフェノールA、8.74g(0.03043モル)のDCDPS、12.00g(0.03042モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、および9.01g(0.0652モル)の細砕した炭酸カリウムを入れた。次に、200mlのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)と55mlのトルエンとを加え、内容物を撹拌し、油浴を用いて145〜147℃に温めた。水副生物をトルエンとの共沸混合物としてBarrettトラップ水に集めた。5時間後にトラップを排水し、反応混合物を157〜159℃で16時間撹拌した。反応容器を油浴から上に上げ、反応液体レベルより下に挿入されたステンレススチール浸漬管を通して塩化メチルをゆっくり(おおよそ0.5g/分で)撹拌反応混合物に加えた。20分後に、塩化メチル添加を止め、反応混合物を追加の20分間窒素でパージした。粘稠な混合物を、圧力容器中の2.7μmガラス繊維フィルターを通して濾過して透明な淡黄色液体を得た。反応容器を追加の40mlのDMAcでリンスし、リンス液を同じフィルターを通して、元の濾液中へ濾過した。溶液の一部を、激しいかき混ぜ下にメタノールを含有するビーカーに注いで繊維状の淡黄色固体を得た。この固体を濾過し、新鮮メタノールで洗浄し、次にTHFに溶解させた。THFポリマー溶液を次に、激しいかき混ぜ下に新鮮メタノールに注いで淡黄色固体を得た。固体を温メタノールで洗浄し、次に真空オーブン中80℃で4時間、次に対流オーブン中200℃で追加の4時間乾燥させた。]
[0088] ガラス転移温度はDSCにより229℃であると測定された。重量平均分子量は、GPCによってポリスチレン標準に対して測定されるように、53,790ダルトンであった。窒素下のTGA測定は、48%の800℃での残渣で498℃での分解の開始を示した。このポリマーは、クロロホルム、塩化メチレン、THF、DMAc、およびNMPに自由に溶けた。THFからキャストされた35μm厚さのフィルムは、透明で、かつ、可撓性であった。]
[0089] 実施例2〜4
ジベンゾジアゾシン/DCDPSの異なる比を用いたことを除いて実施例1を再現した。ポリマーを特性化し、ジアゾシンモノマー(X)およびDCDPS(Y)の相対的な量を変えた結果を表Iにまとめた。ポリマーの全てから、THFからキャストしたときに透明で、可撓性のフィルムを得た。]
[0090] 比較例5R
ポリマーを、DCDPSを唯一のジハロゲン化モノマーとして製造した。結果を表Iに示す。]
[0091] 比較例6R
ポリマーを、DCDPSかジベンゾジアゾシン含有モノマーかのどちらかを唯一のモノマーとして製造した。結果を表Iに示す。]
[0092] ]
[0093] コポリマーの全てが、単一のガラス転移温度を有し、ポリマー鎖中でのジアゾシンおよびスルホン単位のよりランダムなまたは交互の分布を示唆した。ブロック状コポリマーは典型的には、2つのガラス転移温度を示す。使用されるジアゾシンの量の増加と共にTgは上がり、熱分解の開始温度(T開始)は比較的一定のままであった。TGA測定で800℃に達したときに残る%炭は、ジアゾシンの増加と共に増加した。より高い炭は、改善された難燃性の一般的な指標である。]
[0094] 実施例7(1:1ジアゾシン−スルホンビフェノールコポリマーの製造)
反応は、DMAc/トルエン溶媒系で11.90g(0.06389モル)のビフェノール、8.74g(0.03043モル)のDCDPS、12.00g(0.03043モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、および10.60g(0.0767モル)のK2CO3を使用したことを除いて、実施例1に記載されたものと同じ方法で行った。実施例1に記載されたように単離した繊維状の淡黄色固体ポリマーを特性化し、結果を表IIに示した。このポリマーは室温で、クロロホルム、THF、DMAc、およびNMPに自由に溶け、THFからキャストされた25μm厚さのフィルムは、透明で、かつ、可撓性であった。]
[0095] 実施例8〜10
ジアゾシン−スルホンビフェノールコポリマーの他の実施例は、表IIに示されるジアゾシン(X)とDCDPS(Y)との相対的な量で記載されたものと同じ方法で製造した。実施例9は、水を除去するためにトルエンの代わりに窒素一掃を用いた。]
[0096] 比較例11R
ポリマーを、DCDPSで、すなわち唯一のジハロゲン化モノマーとして製造した。結果を表IIに示す。]
[0097] ]
[0098] 比較例12R(ジアゾシン含有ホモポリマーとスルホン含有ホモポリマーとの物理的ブレンド)
THF/DMAcに溶解した実験室製造ジアゾシン−ビフェノールホモポリマー(Mw約32,000)と実験室製造DCDPS−ビフェノールホモポリマー(Mw約31,000)との1:1wt/wtブレンドを、PTFE皿中でゆっくり乾燥するに任せてほぼ不透明のフィルムを形成し、それを次に先ず真空オーブン中80℃で5時間、次に対流オーブン中200℃でもう4時間乾燥させた。乾燥フィルムのDSCは、214℃(Tg1、スルホン−ビフェノールホモポリマーからの)および287℃(Tg2、ジアゾシン−ビフェノールホモポリマーからの)に2つの別個のガラス転移温度を示した。2つの別個のTgの存在およびフィルムの不透明外観は、これらのポリマーがこの割合で非混和性である可能性が高いことを示唆する。このように、ジアゾシンホモポリマーをポリスルホンと他の割合で単純にブレンドすることは、本実施例に記載されるコポリマーほどは容易な加工も、一貫性のある外観および特性を有することも予期されない不均一ブレンドをもたらす可能性が高い。]
[0099] 実施例13(ジアゾシンケトンビフェノールコポリマー−ジアゾシン:ケトン=9:1の製造)
Barrettトラップ、オーバーヘッド攪拌機、冷却器、および窒素入口を備えた4口、250mlの丸底フラスコに、10.65g(0.0270モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、0.66gの4,4’−DFBP、5.87g(0.0315モル)のビフェノール、5.22gのK2CO3、90mlのDMAc、および50mlのトルエンを入れた。混合物を撹拌し、140〜145℃に5時間温めた。Barretトラップを次に排水し、内部温度を155〜159℃に上げた。反応混合物をこの温度で16時間撹拌し、140℃に冷却し、9gの塩化メチルを15分にわたって加え、窒素でパージし、約70℃に冷却した。粘稠な混合物を次に、2.7μmガラス繊維フィルターを通して濾過した。透明な黄色のポリマー溶液を、42℃で激しいかき混ぜ下に600mlのメタノールにゆっくり注いだ。生じたスラリーを30分間撹拌し、次に濾過して淡黄色の多孔性粉末を得た。粉末を温メタノールで3回洗浄し、次に真空オーブン中で4時間乾燥させた。このポリマーは、塩化メチレン、THF、およびDMAcに容易に溶け、ポリマー溶液からキャストされたフィルムは透明で、かつ、可撓性であった。実施例13で製造されたポリマーのDSCは単一のTg=283℃を示し、350℃未満の融点を全く示さなかった。]
[0100] 220℃で一晩にわたり乾燥させ、塩化メチレン中の溶液からキャストした、このコポリマーの赤外スペクトル(FTIR/ATR)を、ケトンなしに製造したホモポリマーの赤外スペクトルと比較する。差スペクトルは、ポリマー中にケトン(ベンゾフェノン)の存在を示唆する少なくとも4個の吸収ピークを示した。例えば、ベンゾフェノンの赤外スペクトルは、差スペクトルにおいて矢印で示されるピークに似ている、1666cm-1、1461cm-1、1277cm-1、および919cm-1に相当する吸収を有する。このように、ケトンはジアゾシン−ポリマー構造に組み込まれた可能性が高い。]
[0101] 実施例14および15
実施例1に記載された条件を用いて2つの異なるビスフェノールとジフルオロジアゾシンとの混合物で製造された2つのジアゾシン−ビフェノールコポリマーの基本的特性を表IIIに示す。ビスフェノールの相対的な量は、両方の場合について1:1であった。]
実施例

[0102] ]
权利要求:

請求項1
一般構造式:−D−G−Arb−G−の繰り返し単位(A)と、一般構造式:−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)とを含むコポリマー(C)であって、式中、Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;Araが、・少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);・少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);・およびこれらの基の混合物の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)。
請求項2
前記繰り返し単位(A)に含まれる二価基Arbが前記繰り返し単位(B)に含まれる二価基Arbと同一であり、繰り返し単位(A)に含まれる二価基Gが一方では互いに、他方では繰り返し単位(B)に含まれる二価基Gと同一である、請求項1に記載のコポリマー(C)。
請求項3
その繰り返し単位が繰り返し単位(A)および(B)から本質的になる、請求項1または2のいずれか一項に記載のコポリマー(C)。
請求項4
前記二価基Dが次式:のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコポリマー(C)。
請求項5
前記二価基Araがである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコポリマー(C)。
請求項6
各二価基Arbがp−ビフェニレンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー(C)。
請求項7
各二価基Gがエーテル基(−O−)である、請求項1〜6のいずれか一項にコポリマー(C)。
請求項8
コポリマーの製造方法であって、・一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、・一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および・一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、式中、各Hが水素原子であり;各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり、このXが互いに独立して選択され;Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;Araが、・少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);・少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);・およびこれらの基の混合物の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択される方法。
請求項9
請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)の製造方法である、請求項8に記載の方法。
請求項10
前記モノマー(M3)のモル量が前記モノマー(M1)および(M2)のモル量の合計に実質的に等しい、請求項8または9に記載の方法。
請求項11
各Xがフッ素原子である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12
前記二官能性モノマー(M2)が一般式HO−Arb−OHのジオールである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
繰り返し単位(A)および(B)を含むコポリマー(C’)であって、前記コポリマー(C’)が−前記コポリマー(C’)の前記繰り返し単位(A)が、一般構造式−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−の1つ以上のものであり、かつ、−前記コポリマー(C’)の前記繰り返し単位(B)が、一般構造式−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−の1つ以上のものであることを除いて、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)と同一であり、式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について先に定義された通りであるコポリマー(C’)。
請求項14
−請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコポリマーおよび請求項13に記載のコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)と、−コポリマー(C”)以外の1つ以上の原料とを含有するポリマー組成物。
請求項15
請求項14に記載のポリマー組成物、または請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコポリマーおよび請求項13に記載のコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)の中から選択される少なくとも1つのポリマー組成物を含有する造形品または物品の造形部品。
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同族专利:
公开号 | 公开日
US20110009563A1|2011-01-13|
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